木のはなし 特別編2
木のアテについてでしたね。
木は斜めの山肌に、真っ直ぐ生えていますよね?
よく見ると、根っこ近くは斜面の角度と同じで、少し上でグニョリと曲がって真っ直ぐ天に向かいます。
重力に対してバランスを取るためとはいえ、真っ直ぐ天に伸びる姿は美しいですね。
このグニョリと曲がる、この部分がアテです。
木が山で立っている時は、斜面に対しこの部分が常に抵抗していますので、真っ直ぐ立っていられるという訳ですが
切って重みがかからなくなると、反対に反ったり、変形の原因になります。
将来のソリや曲がり等の変形を完璧に予測するのは困難ですが、アテを見ることである程度想像がつくというわけです。
ここまで見れるとなかなかの玄人さんですが、皆さんが結構誤解をされている事を書いておきますね。
節のある木は弱い
ヒビのある木は弱い
この二つをYESと答える方がとても多いです。
確かに大きな節や向こう側が見えるようなヒビ割れは強度に影響しますが、基本的には強度に影響ありません。
むしろ経年と共にヒビが入った木は、強度が上がっています。
うっそだーと思われた方、この機会に知っておきましょう。
まず節は、枝の根本な訳ですが、枝を生やす為に繊維が集まって凝縮し節になっていて、周囲よりずっと堅いので節のない木より、節がある木のほうが強度があると言っても良いと思います。
そしてヒビですが、ヒビはその木に含まれていた水分が乾燥することにより縮みが生じるのでヒビが入ります。
乾燥した木は強度が上がっていきます。
生魚はフニャフニャですが、干した魚は堅いですよね?
干した魚の表面はどうなっていますか?
実際に節の多い木とそうでない木、ヒビの多い木とそうでない木に力をかけて折れるまでの強度実験を行っても、共にその強度に殆ど違いはでません。
木って面白いですね、1000年の昔から住居の材料として使われてきて、私達と深く関わっているのですが、せっかく木造の家に住まわれるお施主様には是非木の事よく知っていただいた上で、お住まいいただきたいです。
では改めて
家を造る時は、ちゃんと生きた木で造りましょうね。
生きた木で出来た家、『すみながら』はいつでも見学可能です。
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